15冊目 夢にも思わない 宮部みゆき
手に取った理由は、宮部みゆきだから。
宮部みゆきの「火車」は大好きだ。買って今も本棚に置いてあるから
いつかこのブログで紹介もするだろう。
さて、本書を読んですぐに気づいたのは、
あれこの本なんかの続編だ。1作目がある前提で書かれてるな。ってことだ。
シリーズものを途中から読むのは人生で初めての経験になった。
完全に繋がってるわけではなく、きっと登場人物や世界観だけが地続きになってるくらいなんだろう。読み進めても不都合はなかった。
中1の男女が探偵ごっこで殺人事件の背景を明らかにする話だ。
これはミステリーに分類されるのか?ミステリーってつづきが気になる代表だから、
どんどん読み進めてしまい、2日ほどで読み終えてしまった。
逆に、つづきが気にならない本は読んでて辛くなってくる。
前回紹介した石の扉はストーリー仕立てになってる訳ではなく、
時系列で紹介してるわけではないので、全然次ぎが気にならないのだ。
その点はこの本は次が気になり、サクっと読めてしまい
話の前半の記憶もまだまだある内に、こうして感想文を書き始められるんだから
ミステリー小説はこのブログ向きなのかもしれない。
この本で特に印象に残った一節を紹介する。
特にストーリーに関係してるわけではなく、ただ単純に宮部みゆきの
言い回しの面白さ鋭さが表れた箇所だ。
俺もこういうバカでもわかる、
わかりやすくて切れ味鋭い文章書いてみたい。
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女の子は、「わたし」と言うときと「あたし」というときで目つきが変わる。どっちに目つきが男にとって好ましいものなのか、わかるころには僕はもう立派なおっさんになってるだろうし、女の子の目つきを読む必要さに迫られることもなくなっているだろう。練習に練習を重ねて予選通過基準をパスするだけの技量を身につけることができたと思ったら、年齢と体重が参加者規定をオーバーしてるわけ。そうするとコーチになるしか道はなく、だからこそ、おっさんというのはみんな例外なく説教好きなんだ。
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これ主人公の緒形くん(中一男子)のセリフなんだけど、あり得なくないか?
中一でこの冷静な分析力。達観してんな。おれは絶対「あたし」と「わたし」の違いに気づかなかっただろうし、第一まだ異性の目つきよりも友人の股間にしか興味がなかったし。
30代に突入した今でも、予選通過基準をパスする技量を身につけられていない俺には
説教くさいおっさんになる権利すら与えられてないのではないか。まぁ別にいいんだけど。
ともかくすごい好きな言い回しだったので、ここで紹介した。
これの1作目も家にあんのかな?あったらこの話を忘れた頃に読んでみようかな。
読んだらまたここで、ダラダラ感想を述べたいと思う。