13冊目 ロマンス小説の7日間 三浦しをん



 好きな作家が誰?と聞かれて真っ先に浮かぶのは、三浦しをん。

この企画で初めての自分で買った本を取り上げる。

それも結構気に入っていて何回も読んでいる。


前回取り上げた本が、興味なさ過ぎて読んでて辛かったから、

ここらで好きな本を取り上げたい。

ところで好きな本ってすごいよな。楽しいから1日ぐらいで読めちゃうんだぜ?


三浦しをん作品の好きなところは、

「フフフッ」と「へぇーすげー」がいい感じに入っていて気に入っている。

マンガ家で言うと、二ノ宮知子の取材力と東村アキコの笑いがいい塩梅に混ざってる。


本書は構成が見事で、ロマンス小説とロマンス小説翻訳者である主人公あかりの日常が交互に描かれる。

あかりの周りで事件が起きると、微妙に?大胆に?ロマンス小説の翻訳に影響してる。


おれはこの本の登場人物である神名に憧れがある。

こんな風に飄々と生きたいと思うし、自分なりに飄々と生きてるつもりだから共感もある。

誰にも相談せずに会社を辞めてきた後、部屋で全裸になり脱ぎ散らかしたスーツを指さし、

「感激だ。見てくれ。俺はもう、スーツをハンガーにかけなくていいんだ」

とか言いてー。言って恋人に呆れ笑いを返されてー。


それと恋人のお父さんに平然と無職を告げて怒られたあとの

「俺、あかりの親父さんに怒られるの好きなんだよな。そんでつい、突っついちゃうんだ」

これは少し共感する。多分怒られながらニヤニヤしてるだろ。

おれもこの人に怒られんの面白いなって時がある。


まぁそれ以外も全体的に面白いから是非読んでみてくれ。

最後に著者本人によるあとがきの一部を紹介。きっと読みたくなるだろうから。

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本文の最初のほうをパラパラッと見て、「チッ、なんだよ歴史物かよ」と思われたかた、

歴史物じゃなく現代の恋愛物なので、安心して購入し、読み進めてみてください。逆に、「あとがき」の一文目を読んで「チッ、歴史物だと思ったのに恋愛物なのかよ」と思われたかた、歴史物とも恋愛物とも言い切れぬ話なので、安心して購入し、読み進めてみてください。(著者あとがきより)

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